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2025年1月7日
映画『私にふさわしいホテル』を観ました(ネタバレあり)
お正月休みに、映画『私にふさわしいホテル』を観ました。
原作:柚木麻子(『ナイルパーチの女子会』『終点のあの子』)
監督:堤幸彦(『池袋ウエストパークゲートパーク(ドラマ版)』『劇場版SPEC』『劇場版TRICK』)
CAST
中島加代子:のん
大手出版社の編集者・遠藤:田中圭
大御所作家:東十条宗典:滝藤賢一
カリスマ書店員:橋本愛
銀座のクラブのママ:田中みな実
有森光来:服部樹咲
他
参照元 https://www.watahote-movie.com/
主な舞台となっているのは
2024年2月に閉館となり、多くの文豪の執筆場所ともなっていた
今は訪れることができないクラシックなホテル、山の上ホテル。
時代は昭和。
受賞の連絡は黒電話から。
執筆シーンは原稿用紙に万年筆。
差し入れは緑地に赤い薔薇のパッケージのSENNBIKIYAのフルーツサンド。
のんさんのファッションも、どこか空気を読まないといいますか、周りと合わせる気がない、我が道を行く、かわいくて少しダサくてエモい昭和の空気漂うコーディネート。
お話は、中堅出版社の新人賞を受賞したにもかかわらず、大御所作家に酷評されたばっかりに、未だ単行本も出せずにいる新人女子作家が、はちゃめちゃな行動と根性と努力でのし上がってゆく物語です。
兎に角のんさん(加代子)のセリフと演技が秀逸です。
「もちのろんです!」
と、ドスの効いた声で返事をする場面。
大御所作家・東十条宗典に、
「先生の大ファンでずっとお慕いしております!」と堂々と嘘をつく場面。
銀座のクラブで
「才能があって努力しても一生スポットが当たらない人間はたくさんいる。 そして、なんの力もない人間が、コネや政治のおかげで表舞台に立つことができる。 本当にこの世は不公平だと思いませんか!? でもね!そんな既存のルールに負けちゃいけないんですよ!! スポットが当たらなかったら、スポットの下に飛び出せばいい! そう、それが成功する最速のルールです!!」
と言い放つ場面!
書店に一人でサイン本を置かせてもられるように営業に行って塩対応をされている時も
ずっと明るい態度で
「ありがとうございます!」
と頭を下げる場面。
この場面は作者の柚木麻子さんも
「本当に涙が溢れました」と
公式ホームページのコメントでも仰っています。
引用元 https://www.watahote-movie.com/#comment
のんさんのずば抜けた演技や俳優さんたちの素敵さと、更に、
ロケ場所や衣装や小道具まで
抜かりのないところがまたこの映画の素敵さだと思います。
受賞の連絡は、やっぱり黒電話を囲んで待つ風景にしたくて
堤幸彦監督は時代設定を昭和にしたそうです。
参照 https://x.com/wands_movie/status/1875482303444791310
のんさんの衣装は22パターンもあり
シチュエーションに合っていて且つ盛り上げて、可愛いくて、一癖あって
何度でも眺めたくなる魅力的なスタイリングです。
因みに、スタイリストさんのお名前も「中村のん」さんです。
参照 https://x.com/nonnakamura/status/1872815757064917276
田中みな実さんとのんさんの着ていたお着物は
劇中では500万円と言っていましたが
実際は800万円もするもので
のんさんがこれを着てお鍋を食べるシーンは恐ろしさを感じていたそうです。
お醤油がのんさん側に倒れてきて
危うくお着物を汚してしまうところだった
事件も起こったそうです。
参照 https://www.crank-in.net/news/159090
山の上ホテルの中での執筆シーンは
作家さんの名前入りの原稿用紙に万年筆で書いていましたし、
差し入れは、千疋屋の緑地に赤い薔薇のパッケージのフルーツサンドでした。
参照 https://www.fujingaho.jp/gourmet/a50306/fruit-sandwich-190313-hns/
エンディングでは
曲と共に、山上ホテルの内装やプリンアラモードなどが
次々と映し出されました。
曲は、奇妙礼太郎さんの「夢暴ダンス」です。
70年代のソウルミュージックを日本語で歌っているような音楽です。
とても気に入って
映画が終わった後もi-tunesで聞いていたところ
カーティス・メイフィールドの
「Move On UP」の中のサビ部分
「jsut move on up!」が「無謀ダンス!」に聞こえることに気づいてしまいました!
きっとこれは空耳アワー的な聞こえ方から着想を得た曲なのではないのでしょうか?!
奇妙礼太郎「夢暴ダンス」 https://www.youtube.com/watch?v=aei-0Ne91PQ
カーティス・メイフィールド 「Move on UP」https://www.youtube.com/watch?v=iN3KsbnQZxU
普段私は、加代子みたいに思ったことを思いっきり言ったり、行動したりできるわけではないし、
そういうはみ出した人は輪に入れてくれないような場所も世の中多くあるわけで
だからこそ、主人公の言動に
スカッとして、憧れて、
痛快コメディなはずなのに
なぜか泣きたくなる気持ちにもなって
今はもう立ち入ることのできない
山の上ホテルというロケーションと
画面全体が醸し出しす素敵さも相まって
見た後はとても満たされた気持ちになりました。
3月にはカリスマ書店員役の橋本愛さん主演の映画
「早乙女カナコの場合は」という作品が公開されるそうです。
原作は同じく、柚木麻子さんです。
その中にのんさんも中島加代子の2人目の名義の作家”有森樹李”役として出演するそうです。
楽しみです。
参照 https://www.saotomekanako-movie.com/
デザイナー
takayama
ひらめく事、大胆なデザインが得意
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