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2024年8月10日
「オドル ココロ」資生堂のクリエイティブワークを観に行きました。
近頃は外国人観光客で賑わい過ぎているとも思う銀座。
銀座の大好きな場所のひとつ、資生堂パーラーのある資生堂ビルの地下にある
資生堂ギャラリーで開催されている「オドル ココロ」を観てきました。
メインビジュアルはこちら ↓
引用元:SHISEIDO GARELLY
展示されているのは、明治初期から2010年代までの資生堂のパッケージデザインの商品と、
映像作品の中に組み込まれている広告デザインです。
展示作品について、デザイナーさん達のお話がSpotifyで聞けるようになっていました。
その場で聞きながら、ということもできるのですが、とりあえずは目からひたすら取り込んで、
あとでゆっくり音声を聞くことにしました。
映像は撮影禁止だったのですが、とてもかわいい!映像でしたので
なるべく記憶に焼き付けたくて、3周位観てきました。
Spotifyの中のお話と、作品を合わせて、特に気になったことを書いてゆきたいと思います。
まずは、
杉浦俊作さんデザインの
MG5(1963)
これ父が使っていたやつ。
チェッカーフラッグ柄が好きな昭和生まれの男の人って多い気がします。
明快で、一目で認識できて、なんてキャッチーなボトル!
当時は化粧品の容器の口は小さいものばかりで
このようなズドンとした型は無かったそうで、
容器の形状から開発したそうです。
シェラルー(1970)
なんてPOPで宇宙人的なデザインなのでしょう!
ピンクとオレンジがこんなにも鮮やかなのは
1回の印刷でこの発色を出すのは無理で、4・5回重ねて印刷しているそうです。
この製品は複製品ではなく現物が展示されていたのですが
1970年に発売されてから今日まで、劣化することなく、こんなに鮮やかなままでいてくれたのだそうです。
奇抜なデザインといい、手間の掛け方といい、
コスパ・タイパなどと言いがちな昨今の効率主義的な世の中の雰囲気とは真逆の時代感を感じます。
兎に角、デザイナーさんがアイディアを考えたら、
工場の技術の方が一生懸命それを実現する為に動いてくれたそうで、
「今までに無いものを作ろう!」という時代だったそうです。
新しくて楽しい商品を世に送り出して
世の中を明るくしていたのだろうと想像します。
平戸絵里子さんのお話もとても面白くて、
入社して間もない頃に100枚スケッチ(!?)描いてADさんに見せたら
椅子から転げ落ちるくらい笑われて
「工場見学してこーい」と言われて
ガラスの容器を作っている工場まで行って、現場を見せてもらったり、説明してもらったりして学んだそうです。
シャワーコロン(包み、多面体)1985
シャワーコロン(多面体)のこの形、
ティーン向けの商品で、中高生がお小遣いで買える価格設定なんだろうと思うのですが、他にはない形。
ということは、容器の形状から開発しているということが想像できます。
シャワーコロン(包み)も、
「誰かがお家で手作りしたものを、そのままハイってくれる感じ」にしたそうです。
楽しんで思いついちゃったようなアイディアを
実現させていることに凄さを感じます。
パーキージーン(エスノ) 1986
このデザイン、
なんだかギャルっぽくないですか?
と気になりまして、
発売された年、1986年の流行を検索してみたら
エスニックブームがあって、カラムーチョ発売の年でもありました!
バブル足音が聞こえてきた時代、
80年代を感じるお化粧品、
当時のシンディーローパーにも似合いそう。
ブリキの缶に入っているクレヨン?のこの缶も
購買部工場の方が、のりの缶などを作っている工場を見つけてきてきてくれて、それで
今までにない、このアルミではなくブリキのケースを
実現できたそうです。
商品開発、商品の佇まいが先にあって、
そこに向かって関連部門の方々が
一丸となって今までに無い新しい商品を作り出していたそうです。
それぞれの部門の方々が
エネルギーを惜しみなく注いでいる感じが伝わってきて
そんな物作りの姿勢が羨ましくも思えてきます。
他にもかわいい商品が沢山展示してありました。
オイデルミン(1897)
描版師の薄 希英さんによる唐草。
香油花椿(1907)
ラベルの形とカリグラフィの文字が最高にかわいいです。
ホネケーキ(1959)
Honey cakeを日本的に読んで「ホネケーキ」宇宙からのお土産みたい。
イーゼルパス(1944)
エモーい!こんなポシェット型のクレヨンも作っていたのですね。
サンオイル(1965)
明快で、無駄がなくて、明るくて、かわいいデザイン。
リップアミュレット(1991)
これ持っていました!ワンコの。
他にもかわいいパッケージが沢山あって、写真に撮りきれてないものも多々あります。
最後に、映像は撮影禁止だったのですが
1970年代の資生堂の広告を主に映像の中で見せていて、
敢えてアナログ的な手法で撮っていたりして
物(止まっているもの)を動画で魅せるアイディアがたくさん出てきて
とてもかわいい映像作品でした。
見れるものならもう一度見たいです。
この展覧会で資生堂のパッケージデザインの奥深さと心意気を感じることができたので
これから身近なところで資生堂の製品を見る度に
より興味深く見れて、楽しくなりそうです。
デザイナー
takayama
ひらめく事、大胆なデザインが得意
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